独特の光沢と、やさしい色合いが印象的な葛布。SLで知られる大井川鉄道が走り、お茶畑を望む大井川のゆったりと流れるまち、静岡県島田市に、村井龍彦さんと妻の良子さんの工房でつくられる「大井川葛布」をご紹介しましょう。
秋の七草にも数えられる葛は、和菓子や日本料理に用いられる葛粉や、漢方薬の葛根湯などで知られています。天然の葛を使い織られるのが葛布です。毎年、梅雨が終わる頃になると、ご夫婦の糸作りが始まります。大井川周辺の葛の蔓(つる)を刈り取り、煮沸、発酵などの工程を経て、きれいな川の水でていねいに洗って乾燥させ、指先や針で裂く…という気の遠くなるような作業の末、ようやく葛糸が完成。この葛糸をヨコ糸にして、絹や綿をタテ糸に使って織り上げることで、光を受けた葛糸がやさしく輝き、上品な葛布が生まれるのです。
美しい染めも葛布の魅力の1つ。葛糸を天然染料で染め上げ、時間をかけ、丹念に手織りします。1つとして同じもののない葛布の誕生です。季節の移り変わりを思わせる色とりどりの布は、やさしい風合い、何度でも振れたくなる手ざわり…と手仕事ならではの温もりを感じさせてくれます。
また「雅で野趣に富んだ葛布の美しさを知ってほしい」と語る村井さんご夫妻。葛布というと、着物でないと…。と思われるかもしれませんが、古来の美意識を感じる葛布のアイテムは、むしろモダンな雰囲気で、ふだんのファッションでもしっかりと存在感を放ちます。
長く愛着をもって使えることも魅力で、大切な方への贈り物にも最適です。
[N Drive 3号 するがのひかり掲載作家]
秋の七草にも数えられる葛は、和菓子や日本料理に用いられる葛粉や、漢方薬の葛根湯などで知られています。天然の葛を使い織られるのが葛布です。毎年、梅雨が終わる頃になると、ご夫婦の糸作りが始まります。大井川周辺の葛の蔓(つる)を刈り取り、煮沸、発酵などの工程を経て、きれいな川の水でていねいに洗って乾燥させ、指先や針で裂く…という気の遠くなるような作業の末、ようやく葛糸が完成。この葛糸をヨコ糸にして、絹や綿をタテ糸に使って織り上げることで、光を受けた葛糸がやさしく輝き、上品な葛布が生まれるのです。
美しい染めも葛布の魅力の1つ。葛糸を天然染料で染め上げ、時間をかけ、丹念に手織りします。1つとして同じもののない葛布の誕生です。季節の移り変わりを思わせる色とりどりの布は、やさしい風合い、何度でも振れたくなる手ざわり…と手仕事ならではの温もりを感じさせてくれます。
また「雅で野趣に富んだ葛布の美しさを知ってほしい」と語る村井さんご夫妻。葛布というと、着物でないと…。と思われるかもしれませんが、古来の美意識を感じる葛布のアイテムは、むしろモダンな雰囲気で、ふだんのファッションでもしっかりと存在感を放ちます。
長く愛着をもって使えることも魅力で、大切な方への贈り物にも最適です。
[N Drive 3号 するがのひかり掲載作家]
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