可憐に咲く花がやさしげな印象の手ぬぐい

良質な和紙の産地として有名な富山県八尾の手漉き和紙を使い、一つひとつ手作業で型染めした手提げのバッグ。植物染料で染めた表情豊かな手隙き和紙が美しく、普段のスタイリングにもマッチして楽しく装えます。
厚めの表紙と中紙を合わせて作っておりしっかりとした仕立てになっています。撥水加工を施し、持ち手部分も強くしているため、気を使わず使えます。A4 の書類がちょうど入る大きさで、多少重いにもつも大丈夫です。
暮らしで生きる、美しい模様を加えた染め紙
かつては薬の包み紙や障子紙に使われ、暮らしに身近だった八尾和紙。現在、その仕事が残るのは桂樹舎のみとなっています。桂樹舎では厚めに漉いた和紙を揉んでから型染めを施し、文具やバッグ、クッションなどに加工しています。2代目の吉田泰樹さんは「全国に紙漉き屋は300軒ほどありますが、自分たちの工房で紙漉き、染め、加工を行う所は他にはないと思う。うちは異端児かも」と微笑みます。創業者で父親の桂介氏が、染色工芸家の芹沢けい介氏との交流を通じて染めの技を磨き、型染めのパターンを考案したとか。桂介氏が残した約200種のパターンは今も現役で、時に泰樹さんや娘さんがアレンジを加え、様々な商品に展開されている。紙漉き、防染、型彫り、色差し…どの工程も女性の職人がきびきびと手際よく働く姿が印象に残ります。
「うちの和紙は使うほどにツヤが出て風合いが増す。作りたいのは美術品でなく、背伸びせずに永く使える生活に身近なものなのです」と吉田さんは胸を張って話します。
■material:八尾和紙(手漉き和紙)
※手づくり品のため誤差がございます。
※大判の和紙を使用しているため、1点1点柄の出方が異なる場合があります。また、手染めのため、多少色合いが変わったり、色ずれがある場合があります。
※写真はご覧のパソコン、スマートフォンなどにより色味が異なって見える場合がございます。予めご了承ください。
※手染めのため、画像との色の違いや色ムラがある場合があります。
商品のつくり手について

伝統の型染めで生み出されるモダンな模様のテキスタイル
明治から大正時代にかけて、型染めの産地として知られていた浜松。天竜川を水源とした豊富な清水に恵まれ、山風が吹くこの地は、洗いと乾燥が鍵を握る染め物にとって絶好の場所です。この浜松で型紙づくり、染め、色止め、洗いなど気の遠くなるような作業を要する伝統的な型染めの技法を今も守り続けるのが、浜松に工房を構える染色家の山内武志さんです。
紺屋を営む家に生まれた山内さんは、人間国宝の染色家・故芹沢?介氏に師事して技の研さんを積むと共に、感性に磨きをかけ、独自の世界観を確立させます。
「すべての工程がおろそかにできないんです」と語る通り、一つひとつの工程に対して、一切の妥協を挟まないそのていねいな手仕事ぶりには、伝統工芸を生み出した先人たちへの敬意と、浜松の染め文化に対する誇りが感じられます。
[N Drive 創刊号 静岡いろは掲載店]