縞布に染めるかたち
山内武志さんの2022年のテーマの一つは、縞布に染める、だそうです。 自ら藍で染めた糸を織屋に持ち込んで、縞布に仕立て、その布に型染めすることで、縦糸とかたちの融合をいろいろ試してみたい、と話されていました。 自ら「織物マニア」という山内さんのこだわりが詰まった作品です。
毎日が楽しくなる、励ましてくれる型染め
はらはらと風に舞う花びらのように、三角模様が続く「風花」。繰り返される文様は、いつまでも幸せや繁栄が続くようにという願いが込められた吉祥文です。山内武志さんの作品では、定番の型ですが、目引き染めの染め色の組み合わせがモダンで、見る人を引込む美しさを感じます。
テーブルセンターや花瓶敷きに使われてきた卓布(たくふ)。山内武志さんの型染めの卓布は、従来の古臭さや重々しい雰囲気ではなく、民藝の格調はそのままに現代生活に取り入れやすいインテリアグッズ。お気に入りの置物と組み合わせたり、ランチョンマットや壁掛けにして飾っても。日々の暮らしへ、気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。
*卓布用織物の特徴で、ロットにより長さにばらつきがみられます。使う分にはあまり気にならないように感じますが予めご了承ください。
■material:綿100%
※摩擦により色移りする場合があります。使用前にたっぷりの水で単独洗いをしてください。
※お手入れは中性洗剤で押し洗い、陰干しがおすすめですが、洗濯ネットを使えば洗濯機でも洗えます。その場合は、両端のフサ部分を折って中に入れ込み、洗濯ネットに入れて中性洗剤で洗ってください。最初は色落ちしますので、単独で洗うことをおすすめします。 ※使うほどに風合いが増してきます。かしこまらずに普段使いにもおすすめです。
※サイズは目安で、一枚一枚ばらつきがあります。
※手染めのため、画像との色の違いや色ムラがある場合があります。また、型への色の入り込みや滲みが見られますが、手しごとの味としてご理解ください。
商品のつくり手について
伝統の型染めで生み出されるモダンな模様のテキスタイル
明治から大正時代にかけて、型染めの産地として知られていた浜松。天竜川を水源とした豊富な清水に恵まれ、山風が吹くこの地は、洗いと乾燥が鍵を握る染め物にとって絶好の場所です。この浜松で型紙づくり、染め、色止め、洗いなど気の遠くなるような作業を要する伝統的な型染めの技法を今も守り続けるのが、浜松に工房を構える染色家の山内武志さんです。
紺屋を営む家に生まれた山内さんは、人間国宝の染色家・故芹沢けい介氏に師事して技の研さんを積むと共に、感性に磨きをかけ、独自の世界観を確立させます。
「すべての工程がおろそかにできないんです」と語る通り、一つひとつの工程に対して、一切の妥協を挟まないそのていねいな手仕事ぶりには、伝統工芸を生み出した先人たちへの敬意と、浜松の染め文化に対する誇りが感じられます。
そんな山内さんが生み出す布製品は、伝統的な型染めならではのやさしい肌ざわりや通気性の良さ、色の鮮やかさはそのままに、現代の暮らしにも馴染むモダンなデザインが魅力。丸や四角を組み合わせた幾何学模様や伝統の和柄をアレンジしたぬくもり感あふれる柄は、つい手に取ってみたくなる愛らしさに満ちています。色とりどりの染め物たちが、暮らしを楽しく彩ってくれます。
[N Drive 創刊号 静岡いろは掲載店]